【写真提供: 志佐公道氏 】      

【松前町】


道南の松前の海に、北海道内や全国、海外から40隻のヨット&ボートが集まり、熱い夏が始まりました。

 松前で何があるの・・・?
 なにやら、たくさんのヨットが集まるらしいよ・・・!
 レースもするみたいだから、一寸行ってみようか・・・。
 酒も飲み放題らしいけれど、ホントかな・・・!

そんなマジメ?! な遊び心で松前港はヨットとボートでいっぱいになってしまいました。
驚いたのは、松前町!
春の桜祭り、400年の歴史を持つ松前城、有名なマグロなど、町を挙げてのイベントには慣れている役場の人たちも、“いったい何が始まるんだ!”・・・とのかけ声で、さくら漁協の佐藤組合長、観光協会の疋田会長をはじめ、町の多くの人たちがH.Y.C.クルージングに全面的に協力体制を組んでくださいました。
「町まで歩くのは大変でしょう」とのことで4日間の貸し切りバスの運行やテントを張る作業などは工藤課長の陣頭指揮の元に役場の人達が汗をかいてくれました。
その中で一番乗っていたのは、H.Y.C.応援団を自認している前田一男松前町長・・・(若干39歳のバリバリ町長です)。
ヨットレースをやるなら、おらも乗せろ! どうせなら「松前号」にスッベ! とばかりに、函館のバウスプリット(佐藤Capt)が急遽松前号に変身しました。

松前港の岸壁にさくら色のポロシャツで150名が勢揃いしました

歴史の町松前のシンボル「松前城」
ヨットレースで歓声を上げる前田一男町長の勇姿

【歓迎セレモニー】 8月11日


松前町主催の歓迎式典が岸壁で行われ、“松前さくら娘”の美しいお嬢さんから花束をもらった畳実行委員長はニコニコ、副実行委員長の南谷さんはクルーである奥様の視線を気にしてうつむき顔・・・きれいなお花はヨットに飾らせていただきました。

有り難うございます!
お世話になった松前町の方々です。

【国際親善ヨットレース】 8月12日


・・松前港沖〜 松前小島・・

名誉と自慢話?を賭け、ヨットレースが始まりました。
やはり函館勢とロシアのリーデルとの一騎打ち!
“ド〜〜ン”と防波堤で花火師の観光協会佐藤事務局長が打ち上げた花火を合図にスタート・・・上マークを回ったとたん、絶好調のスピンラン・・・松前沖15マイル先のひょっこりひょうたん島のような「松前小島」を目指し快走〜快走!

スピンがきれいに開いたクロコダイルのぶっちぎり!

バウスプリット&松前号は若干重量オーバー?
ゴールには保安庁の船?・・・ではなくて、パトロール型パワーボートの室蘭のやまと(沖本Capt)が待機し、モーターボートの小樽のビジョン(南澤Capt)には、カメラマンの志佐さんやマスコミ関係者が乗船し、レース海面をデッドスロー(引き波に気を遣って)で廻りました。
海外のヨットレースでは定番のレース観覧艇6隻には30名ほどの町の人たちが乗り込み、初めて見る迫力のあるヨットレースに歓声を上げていました。

 

 

日本海に浮かぶ秘境「松前小島」
本部艇「やまと」
スタート直後のレース艇
上マークを目指す各艇

観覧艇「ボヘミアン」
報道艇「ビジョン」

【港の停泊】


続々と入港するヨットが港を埋め始めました。
8月13日15:00、その日時までに松前港に集まろう・・・あとは仲間の“ひんしゅく”を買わなければ何をやっても自由、まず自分が楽しくなければ意味がないよ・・・そしてその楽しさをみんなと、そして地元の松前の人達と共有しよう!
そんな会がHYCなんだけど・・・やはり、40隻のヨットやボートが集まると、停泊担当委員は大めまい!
30℃を超す炎天下の岸壁で、担当委員の小樽の牧田さん(リプル)、宮崎さん(エルミタージュ)、函館の木村さん(クロコダイルダンディ)、そしてエンジントラブルは何でも直してしまう北欧産業の五十嵐さんは、汗だくで(ビールを片手に?)一隻一隻、あっちだー、こっちだー!と、折り畳み自転車で岸壁を走り回り、町からお借りした磯舟でアンカーを打ち直しています。
さすがに函館チームは慣れたもの、経験豊富なジャズ(鈴木Capt)、ベルファム(竹田Capt)、マイウェイ(小松Capt)、レスポアールU(小澤Capt)はアンカー打ちも見事に一発で決まり!
H.Y.C.クルージングに初めて参加するヨットも多く、室蘭のたか(宇高Capt)は津軽海峡の逆潮を上ってきました。
「松前には間に合わないよ!」と残念がっていたテラロッサ(林Capt)は、熱海から新テラロッサ号で駆けつけました。
ロシアサハリン経由で松前まで下りてきた増毛のドナ(高田Capt)やシーガル(浦瀧Capt)も元気です。
美智子V(渋谷Capt)は黒ラブ(ラブラトリー犬)と一緒にご夫婦で京都・養老を出港し、日本一周の旅の途中です。
松前町のさくら漁協は170m岸壁に係留していたマグロやイカ漁船をすべて移動して、H.Y.C.のために開放して頂きました・・・感謝!感謝!の言葉しかありません。

 
 

アンカーを打ち直す、牧田さん、五十嵐さん

 

【体験試乗会】 8月13日


担当委員の祝津のエトピリカ(堀江Capt)や函館のマーボー(青野Capt)など、8隻のヨットが白いセールを上げ、約70名の松前町の人たちに清々しい海を体験していただきました。
秋田のハックベリー(榎Capt)には町長さんご家族や、カストルノフ・ロシア領事ご夫妻が体験乗船し、秋田から持参した最高級銘酒をロシアで宣伝して欲しい?と一生懸命でした?

ハーイ!皆さんこっちに集まってくださーい!役場の長谷川係長
記念写真

ロシア領事も乗ってます「ハックベリー」
子供達も大はしゃぎ「ナディア」

【交流パーティー】 8月13日


会場として、松前さくら漁協の協力で普段はマグロのセリに使う“荷さばき所”をお借りしました。
町の人達も含め200名近い人の参加があり、日本のヨット界の重鎮である名古屋(碧南YC)の渡辺さん(ボヘミアンCapt)の乾杯でパーティは始まりました。
まず、前田一男町長の「町を上げて大歓迎します!」とのご挨拶の後、昨年の天売クルージング実行委員長の三浦さん(クリオネCapt)から松前町のお世話になった方々に、記念品とHYC旗の贈呈を行いました。
松前少年団の勇壮な“松前古城太鼓”に聞き惚れ、松前町の飯田氏が今回のクルージングのために作曲してくれた、“HYC応援歌Sailing”が会場を沸かせました。
テーブルいっぱいの料理と、“松前町と松前さくら漁協から差し入れられたアワビとウニ”が並び、舌鼓をうちました・・・涙が出るほどウマイ!
参加艇紹介では、函館の滝野さん(勧進丸)からウイットに富んだコメントで、一隻ずつ壇上で南外帆の石川理事長から記念品とお土産をいただきました。
青森の天快(佐々木Capt)に同乗してきた正木さんは昨年のH.Y.C.忘年会以来のなつかしい顔、ヨット歴2年目の小樽の葛巻さん(ワンピースCapt)はもうすでに潮っ気ムンムンの顔つきです。
いつも、無線で長期航海者をサポートしている“シーガルネット”の西村さんご夫妻も、懐かしい顔触れの人達と楽しんでいます。
宴もたけなわ、ついにボーカルの南谷さん(リトルジョン)を中心に、増毛の土門さん(ピグマリオン)のキーボード、小樽の川村さん(ダンデライオン)のベースギターなど、ロートルズグループ7名による、ビートルズ・イマジンが軽快に始まりました。
南谷グループのすごさは、演奏メンバーを現地で召集すること!  練習は岸壁で一日のみ・・それでもカッコが付いてしまうエンターテイナーがH.Y.C.には多いのです。

さすがの迫力、松前古城太鼓!
渡辺Capt「ボヘミアン」のカンパーイ!
お世話になった松前町の方々です。

三浦さん(クリオネ)から記念品贈呈

 
ノリノリ飯田さんの応援歌Sailing
やっぱりすごいビートルズ特集!
 
 
 

【レース表彰式】 8月13日


表彰式は、湯谷さん(メリディアン)の司会で始まり、JSAF外洋北海道会長の松岡さん(サザンクロス)から優勝カップ、トロフィが授与され、函館の上河レース実行委員長の総評と、レース競技委員長の佐藤さん(旭光)からはレースの注意事項などが話されました。
  優勝ークロコダイルダンディ(畳Capt)、 

  2位ーチャンピオンアレス(伊藤Capt)

  3位ーリーデル(ミハエルCapt)

  4位ーサザンクロス(松岡Capt) 

  5位ーバウスピリット&松前号(佐藤Capt)

  6位ーメリディアン(湯谷Capt)

  7位ーいなせ(井戸Capt)

  8位ーエルミタージュ(宮崎Capt)

   ・ 風向ー南東  ・風速ー20ノット ・天候ー曇り

   ・CR Startー09:00:00  ・コースタイプー0  

   ・Distanceー14miles  ・TAnー3

   ・OceanRacingCourseーws>9m/sec

   ・レース委員長 佐藤義宏(署名)  

 

松岡JSAF北海道会長
上河レース実行委員長

 

【さくらテント】


夜の松前港には、H.Y.C.オリジナルの自由空間“さくらテント”が出現しました。
これは簡単に言うと、岸壁に張ったテントでビール・ジュースの飲み放題、バーベキューコーナーでは魚介類・肉の食べ放題、カラオケセットで歌い放題・・・何でも放題のコーナーです。
この、楽しいさくらテントにも担当委員が裏方で頑張っていました。
食材の買い出しや寸胴で美味しいつみれ汁をつくっている小樽の廣田さん(すばるCapt)、バーベキューコーナーで炭を熾しているのは米山さん(チャブチャプCapt)、カラオケコーナーで歌をうたってみんなを盛り上げている井土さん(いなせCapt)。
あちらこちらの“注意書き”は堀川さん(海星Capt)がLISA(大瀧Capt)のキャビンで汗だくになりペンを走らせています。
分別ゴミの所では、エーッなんと! 北海道に来航する長期航海者は必ずお世話になる、函館の水野さん(ナディアCapt)の奥様がゴミの収集をしています。
この皆さんで協力しあい、助け合っていく”シーマンシップ精神”がH.Y.C.の優しさなのでしょう・・・皆さん思い思いのコーナーで夜遅くまで大さわぎでした。
夜の港には小樽のエルドノール(太田Capt)や、日本を8周した、かの有名などんたくさん(楢崎Capt)など10隻あまりのヨットに飾った「イルミネーション」が、夜空に映えるように輝いています。
   ・・・遠くに漁り火が瞬き、イルミネーションの淡い

     明りがムーディに水面の波紋に漂っています
  ・・・満点の星空の下で、柔らかい肩に手をまわし

            {・・・きれいだね・・・}
  ・・・ムムムッ!! 何を考えとるんじゃい!!

さくらテント
HYC旗
港を走り回るには、自転車が最高!
 
夜の更けるのも忘れて
カラオケ大会
薄暮の松前港
イルミネーション

【保安庁の安全講習会】 8月14日


そんなわけで、昨夜の夢から目覚めた参加者は、朝から“第一管区海上保安―函館本部”の、海猿で有名な特殊レスキュー隊員の指導を受けることになりました。
水難にあった人を人工呼吸で蘇生させる技術です。
見たことはあるけど、やったことはない!
1,オーイ、生きてるかー!    息無し!
2,アゴを上げ、気孔を広げ、口移しで2回フゥーと息を吹き込む。
3,みぞおちの上5センチくらいの所を、体重を掛け15回押す・・・これを2回繰り返す。
4,そして再び耳元で・・・オーイ、生きてるかー!

オーイ、生きてるかー
 
 
 

【解団式】 8月14日



アッという間の暑い夏が通り過ぎていきました。

懐しい顔、初めてあった人

みんなが松前の海で楽しみました

町の人達の暖かい歓迎には心から感謝しています

「又、ぜひ来てください・・・」前田町長


「お世話になりました・・・」畳実行委員長


一隻一隻、ホーンを鳴らし出港していきます

海で知り合った人達は、また海で会えるでしょう

来年の再会を願って・・・ボン・ボヤージュ!

さよなら乾杯の南谷さん(リトルジョン)
ホームポートまでの安全航行の話をする宮崎さん(エルミタージュ)
気をつけて帰ってくださーい!ボヘミアン
松前を後にするヨット

また、どこかで会いましょう・・
日本海にしずむ夕日・・

【おまけ】

【写真提供: 渡邊起世氏 小澤貢一氏 向井貴敏氏 他】      

松前町

     
 
 
 
 

ヨットレース

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Capt顔合わせ会

 
 
 
 

交流パーティ

 
 
 
 

さくらテント

 
 
 
 
 
 
 
 
体験試乗会

 
 
 
 
 

港の大掃除

 
 
 
 
 

出港風景

 
 
 
 
 
 
 
 

etc...

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



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